白砂糖は体によくない?科学的に考える
1.「白砂糖は体に良くない」という話は本当?
「白砂糖は体に悪い」と耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか?そのため、未精製の茶色い砂糖や黒砂糖を選ぶ人も増えているようです。けれども、この話は科学的に正しいのでしょうか?
今回のコラムでは、白砂糖と未精製の砂糖の違いを、科学的な視点からやさしくひも解いていきます。

2. 白砂糖とは?その精製の仕組み
白砂糖は、「ショ糖(スクロース)」という成分を取り出し、結晶化したもので、原料には主に「さとうきび」や「てんさい(ビート)」が使われます。製造工程では、原料のしぼり汁を加熱・濃縮し、不純物を取り除いて結晶化させていきます。このときできる砂糖の結晶は、実は無色透明。
私たちの目には白く見えるのは、表面の凹凸によって光が乱反射するためです。
つまり、白砂糖が白く見えるのは自然な光学現象であり、漂白剤などは使われていません。

砂糖の結晶(透明) 光の乱反射により白く見える
以下は、白砂糖が作られる一般的なプロセスです

3. 茶色い砂糖や黒砂糖との違い
茶色い砂糖や黒砂糖は、白砂糖と何が違うのでしょうか?
一番のポイントは 「精製度」 にあります。
茶色い砂糖(三温糖・ブラウンシュガーなど)
- 三温糖(日本で一般的)…白砂糖をさらに加熱して風味や色を加えた砂糖。精製度は白砂糖とほぼ同じですが、カラメル成分のような甘さが特徴です。
- ブラウンシュガー(海外)…白砂糖にモラセス (糖蜜) を加えて作られたもの。白砂糖に近い精製度ながら、風味豊かでパンやクッキーに使われます。
黒砂糖・きび砂糖
- 黒砂糖 …さとうきびの搾り汁をそのまま煮詰めて作る砂糖。精製度が最も低く、風味が強く、ミネラル分も比較的多く含まれます。
- きび砂糖 …さとうきび由来の風味を残しつつ、精製度をやや抑えた砂糖。素朴でまろやかな甘さがあり、未精製と精製の中間的な存在といえます。
💡 ミネラル補給には不向き?
黒砂糖やきび砂糖には、カリウム・カルシウム・鉄分などのミネラルが含まれていますが、量としてはそれほど多くないため、あくまで「風味の好みで選ぶ」程度に考えるのが適しています。
そのため、ミネラルを摂るなら、野菜・果物・ナッツなどを取り入れる方が効率的です。
4. いろいろな砂糖の種類
砂糖には多くの種類があり、それぞれに特徴があります。
用途や料理の目的に合わせて使い分けることで、味の幅が広がります。
分類 | 砂糖の種類 | 特徴 | 主な用途 |
白砂糖 |
白砂糖
|
純度が高く味に癖がない | 料理全般・菓子 |
上白糖 | しっとりとした質感、結晶が細かい | 和菓子・煮物 | |
グラニュー糖 | サラサラして扱いやすい | 洋菓子・飲料 | |
茶色い砂糖 | 三温糖 | 加熱による風味とコクが特徴 | 煮物・佃煮 |
ブラウンシュガー | 糖蜜の風味とコクがある | パン・クッキー | |
黒砂糖など | 黒砂糖 | 精製度が低く、ミネラルを含む | 和菓子・薬膳 |
きび砂糖 | 風味豊かで素朴な甘さ | 料理全般・菓子 | |
てんさい糖 | まろやかな甘みと風味 | 和食・離乳食・飲料 |
5. 白砂糖は体に悪いのか?
白砂糖そのものが「体に悪い」というわけではありません。
ただし、摂りすぎることが問題です。砂糖の摂取量が多いと、肥満や糖尿病、虫歯などのリスクが高まる可能性があります。
🔍 世界保健機関(WHO)が示す目安
WHOは健康リスクを抑えるために、1日の砂糖摂取量は総エネルギーの5%未満(約25g)を推奨しています。
甘い飲み物やお菓子をよく摂る人は、この基準を超えがちなので注意が必要です。
国名 | 1日あたりの砂糖摂取量(g) | WHO推奨値との差 |
日本 | 41 | 最大許容値ギリギリ |
アメリカ | 91 | WHO推奨の3倍以上 |
フランス | 88 | 多め |
中国 | 33 | WHO推奨以下 |
特に日本人は、清涼飲料水やスイーツなど「無意識のうちに糖分をとりすぎている」傾向があります。
普段から意識して摂取量を管理することが大切です。
6. まとめ:砂糖選びのポイント
白砂糖と未精製の砂糖には、それぞれに特徴とメリットがあります。
重要なのは、種類だけでなく「摂取量」に注意することです。
- 白砂糖も未精製の砂糖も、基本成分はショ糖であり、エネルギー源です。
- WHOは1日25gを目安としており、甘い飲み物やお菓子を減らすことが最も効果的です。
- 「未精製=体に良い」と思い込みすぎると、逆に摂りすぎてしまう恐れがあります。
- ミネラルの摂取を目的とするなら、野菜・果物・ナッツなどから摂る方が効率的です。
つまり、砂糖は適量を守って上手に使えば、心と体の満足感を高める食品なのです。
バランスの良い食生活の中で、上手に付き合っていきましょう。
参考資料等
- 農林水産省 砂糖のすべて~原料の生産から製品まで~ 令和4年5月 https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/kanmi_sigen/attach/pdf/index-3.pdf
- 農林水産省 砂糖・でんぷんをめぐる状況について 令和5年6月 https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/kansho/attach/pdf/index-1.pdf
- 世界保健機関(WHO)「成人および子供の糖類摂取に関するガイドライン」https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/healthy-diet
- 農畜産業振興機構 主要国の1人当たり砂糖消費量 https://sugar.alic.go.jp/world/data/wd_data.htm?utm_source=chatgpt.com
- ロバート・ウォルク 料理の科学 素朴な疑問に答えます ハーパー保子 訳 楽工社