「砂糖と甘さ」を、料理から見てみる ― 料理の中で、砂糖は何をしているのだろう ―
1. 料理の中の砂糖に目を向ける
カルサイラボでは、これまでにも砂糖について何度か取り上げてきました。
白砂糖とほかの砂糖の違い、砂糖と健康との関係、果糖や異性化糖、飲み物に含まれる糖、遊離糖類、さらには砂糖税など、健康や食品表示、社会の仕組みまで、さまざまな角度から考えてきました。
また、料理の中での砂糖についても、保存性、加熱による色や香りの変化、カラメルなどを取り上げてきました。
こうして振り返ると、砂糖は「甘いもの」という一言では捉えきれない、いろいろな顔を持った食品素材であることが分かります。
そこで今回は少し視点を変えて、あらためて料理の中での砂糖と甘さに目を向けてみたいと思います。
これから何回かに分けて、実際に作ったり比べたりしながら、砂糖が料理の中でどのような役割をしているのかを少しずつ見ていきたいと思います。
2. 砂糖は、甘くするだけなのだろうか
砂糖と聞くと、まず思い浮かぶのは「甘さ」ではないでしょうか。
・コーヒーや紅茶に砂糖を入れる。
・お菓子やケーキを甘くする。
・煮物の味を整える。
砂糖は、料理に甘味を加えるための身近な調味料です。
けれども、料理の中で砂糖がしていることは、それだけではありません。
砂糖の量を変えると、焼き上がりの色が変わることがあります。
食感やしっとり感が変わることもあります。
卵や泡を使う料理では、仕上がりに影響することもあります。
これまでのコラムでも、砂糖には甘味だけでなく、食品の水分を保ったり、保存性を高めたりする働きがあることを取り上げてきました。
また、加熱すると色や香り、状態が変化していくことも見てきました。
では、条件を少し変えてみると、料理はどのように変わるのでしょうか。
3. 少し変えて、比べてみる
たとえば、同じレシピでも、砂糖の量を変えたらどうなるでしょうか。
甘さが変わることは想像できます。
では、食感はどうでしょう。
焼き色はどうでしょう。
しっとり感はどうでしょう。
また、上白糖やグラニュー糖、はちみつなど、甘味に使う素材を変えると、甘さや香り、仕上がりはどのように変わるのでしょうか。
温度によって、甘さの感じ方や料理の仕上がりに違いはあるのでしょうか。
こうしたことも、実際に条件を少し変えて比べてみると、より具体的に見えてくるかもしれません。
カルサイラボの「粉と水」シリーズでも、粉の種類、水の量や温度などの条件を変え、食感や仕上がりの違いを比べてきました。
「砂糖と甘さ」でも、同じように、条件を変えながら、料理がどのように変わるのかを見てみたいと思います。
どの条件に注目するかは、実際に試作を重ねながら考えていきます。

4. 「甘さ」そのものにも目を向ける
ここまでは、料理の中での砂糖の役割に目を向けてきました。
一方で、今回取り上げたいのは「砂糖」だけではありません。
「甘さ」そのものにも目を向けてみたいと思います。
砂糖は料理に甘味を加える食品素材ですが、砂糖の量と、私たちが感じる甘さが、いつも単純に対応するとは限りません。
同じように砂糖を使っていても、料理や飲み物によって甘さの感じ方は異なります。
温度や香り、ほかの味との組み合わせなども、甘さの感じ方に関わります。
また、食品の表示を見ると、「砂糖」以外にも、果糖、ぶどう糖、異性化糖、はちみつなど、甘味に関わるさまざまな原材料が使われています。
これまでのコラムでも、飲料の原材料名から、どのような糖が使われているのかを見てきました。
このように考えると、「甘さ」に目を向けることは、砂糖だけを見ることではありません。
・何が甘さにつながっているのか。
・どのように甘さを感じるのか。
・そして、その甘さが料理の仕上がりとどのように関わっているのか。
そんなことも、料理を作ったり比べたりする中で見ていきたいと思います。
5. これから、台所で確かめながら
これまで取り上げてきた砂糖についての知識も手がかりにしながら、これからは、もう少し台所に近いところから「砂糖と甘さ」を見ていきたいと思います。
砂糖を減らすことだけを目的にするのではありません。
まずは、砂糖が料理の中でどのような役割をしているのかを見ること。
そして、条件を変えたときに、料理の仕上がりや甘さの感じ方がどのように変わるのかを比べてみること。
実際に作ってみることで、これまで知識として捉えてきた砂糖の働きが、料理の中でどのように表れるのかも見えてくるかもしれません。
そうしたことを一つずつ確かめながら、自分にとってちょうどよい甘さや、料理に合った砂糖の使い方についても考えていければと思います。
「砂糖と甘さ」を台所から見ていくことで、いつもの料理が少し違って見えてくるかもしれません。
「条件を少し変えて、仕上がりを比べてみる」という見方は、「粉と水」シリーズにも通じています。ご興味がありましたら、こちらもあわせてご覧ください。
